『営業はいらない』三戸政和著 20年で100万人の営業マンが消えている

営業はいらない (SB新書)というこの本のタイトルが目に飛び込んできた瞬間に、そんなことはないだろうと思ったと同時に、長年セールスとして働いてきた自分の足元がなんとなく揺らいだような気分になりました。

そして、ついにテレワーク(在宅勤務)始動。

訪問営業ができなくなったら、この先どうやって営業したらいいのか、という気持ちになってしまいますよね。

でも、読み進めていくと「なるほど」と納得させられることやテレワーク導入後の営業のあり方についてヒントが多かったので、今回はこの本についての感想をもう少し深掘りします。

目次

旧来型の営業スタイル

以前は「営業は足で稼ぐ」、今はやっと「営業は頭も使え」という流れになりましたが、「お客様と直接会ってニーズを聞き出し商売に結びつける(=契約を取ってくる)のが営業の仕事」という考えがまだまだ主流です。

個別案件の資料作成でオフィスにいる時間が長くなると、上司から「いつまでオフィスにいるんだ。早く外回りに行ってこい」という言葉を浴びせられるか、そうでなくてもだんだんとオフィスにいづらくなる空気が漂ったりしますよね。

逆にたとえ数字が上がらなくても、電話の本数や訪問回数が多ければ、それだけで「頑張っているな」と評価されることも。

でも、この本は、世の中で実際に起きている事例をあげて、「(旧来型の)営業は不要」と書いています。

今、実際に起きていること

アメリカでは、時間とコストがかかる訪問営業(フィールドセールス)よりも、社内にいながら消費者にアプローチする内勤型の営業(インサイドセールス)が、最先端のツールを駆使することによってどんどん進化しているそうです。

旧来型のセールスはメールや電話が中心で、エクセルで見込み客リストを作って進捗管理をしています。一方で、進化したセールスは、ビッグデータやAIを活用しながら、営業の全プロセスを一元的かつ自動で管理できるツールを使いこなすので、まさに竹槍と鉄砲の違いといった感じですね。

それから、顧客との電話の内容を文字として残す作業は意外に面倒で時間がかかります。ところが、最先端のツールを使えば、顧客とのやりとりが自動的にテキスト化され、営業日報も不要になるところまできているとは驚きです。

さらに、トップ営業マンのノウハウや資料を営業部門でシステム上でシェアできるので、並の営業マンが一気にトップ営業マンのレベルに到達できたり、個別に資料を作成する手間がなくなったりと本当に夢のようなことが現実に起きています。

テレワーク時代のその先

この先テレワークが主流になりテクノロジーがますます進化すれば、本当に営業はいらないのかと何回も考えました。

そして、考え抜いた末に。。営業が必要となる分野が見つかりました。

それは、法人(ホールセール)相手の営業です。

法人の場合は、相手が社長、役員、部長といった役職をもった人や日々やりとりをする実務担当者(窓口となる人)がいます。法人をお客にするには、営業マンも相手の役職のレベルに合わせて自分の会社のトップや上司を巻き込んでアプローチしなければなりませんね。

やった経験がある人であればわかりますが、これがなかなかの労力(社内外の調整力)を必要とします。

また、トラブルやクレームに巻き込まれた時に、誠実に対応する姿勢・へこたれない胆力やピンチをチャンスに変える人間力というのは、顔がみえないカスタマーセンターの担当者やテクノロジーが入り込める世界ではないと思います。

さいごに

この本の後半に、営業マンの目指す方向として、少数精鋭型の経営とクリエイティブ資本家について触れていますが、創造力をもって自ら戦略を生み出して少数精鋭型のビジネスを経営するのがよさそうですね。

テレワークの時代、家でクラッシック音楽を流しながら仕事をすれば自由な発想が生まれるでしょう。

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