プレゼンを成功させるには、まずはプレゼン資料の中身である「デザインとストーリー」が大事です。
私も外資系企業に転職するまでは、他人のプレゼン資料のマネをしたり、自分なりに工夫しながら作成してきましたが、振り返ってみると所詮、自己流の資料でした・・。
でも、外資系に勤めたおかげでプレゼン資料作成の基本的なコツを身につけることができました。
そこで今回は「プレゼンを効果的に行い共感を呼ぶためのコツ」をご紹介します。
目に訴えるようなデザイン・色使いとは
以前の記事で、「プレゼン資料を作成する場合は目に訴えるようなデザイン・色使いに配慮する」というポイントを書きました。
以下、もう少し詳しく解説していきます。
ビジネス用アイコン
私の肌感覚では、2016年頃からビジネス用アイコンを使ったプレゼン資料を社内外で見ることが多くなりました。*イメージ
一目でイメージをつかむことができるので、その次に続くキーワードやコメントも単なる箇条書きの場合と比べて、見る側に生き生きとした印象を与える効果があるのが特徴です。
統一感のある色使い
外資系企業では、日本企業以上にブランドイメージを重視していて、コーポレートカラーを指定しています。
例えば、プレゼン資料の各ページのタイトルのバーの色や、バーチャート(棒グラフ)やパイチャート(円グラフ)に使う色も会社によって指定された色の中から選ぶよう推奨されます。
こうすることで見る側に統一感のある印象を与えることができますね。
コーポレートカラーが特に決められていない場合は、赤・青・黄といった鮮やかな標準色ではなく、意外かもしれませんが落ち着いた感じの色がおすすめです。
さらに、色数を増やしすぎると見る側が落ち着かなくなりますので、同系色で3(〜4)色くらいをメドにしましょう。
比較分析のアイコンにはHarvey Ballsがおすすめ
外資系企業でプレゼン資料を作成して最も記憶に残っていることは、「競合他社との比較分析」の表を作成した際に、アメリカ本社の人が、以下のHarvey Ballsというアイコンを使って手直ししてくれたことでした。
例えば、ある分野のシステムについて競合他社との比較を行う際に、表の横軸に社名、縦軸に提供しているサービス、それぞれの欄に上記のアイコンを入れることで、一目瞭然で自社の弱みが浮き彫りになると同時に、強化すべき部分が明らかになります。
以前は、日本的に◎ ◯ △ Xという形で表現することしか思いつきませんでしたが、このアイコンを見た時は「斬新なデザインだ」と感心してしまいました。*プレゼン資料のイメージ
デザイン的に洗練されていて目に訴える効果があります。
IT系にはVisioの利用を
Visioは、フローチャートやネットワーク、システム構成図等の作成に最適です。
また、印刷して出力する際も、PowerPointで作成した場合と比べて細かい文字でも鮮明に表示・印刷できるのでとても便利です。
Visioで作成したフローチャートや図は、もちろんPowerPointやWordに貼り付けることができるので、特にIT / システム系の会社でプレゼン資料や提案書を作成する場合には、おすすめです。*イメージ図
縮小しても小さな文字がつぶれることなく、はっきりと表示されていますね。
プレゼン資料の構成
見込み客に対するプレゼン資料は、「ストーリー」で味付けした以下の構成が効果的です。
- 市場環境の分析
- 業界全体および見込み客が抱えている課題
- この課題を解決するには、この商品がおすすめ
- 見込み客にとってのメリット(または他社事例の紹介)
各5ページ程度、全体で20ページ程度の資料にまとめるのがいいと思います。
外資系ITの場合は、セールスが上層部や開発担当マネージャーに対して、新たな商品や機能の開発をリクエストするためのプレゼンの機会を与えられることがよくあります。
この時は、上の流れを応用して以下のように構成を組み立てることになります。
- 市場分析:ターゲット顧客層の市場規模、業界内の立ち位置
- ターゲット顧客層の動向:過去から直近に至る傾向
- ターゲット顧客層が抱える課題:顕在的・潜在的な課題
- だから、この商品、この開発が必要
- 自社の強み・弱みの明確化:競合他社との比較分析
- 自社にとってのメリット:目標販売数・見込まれる収益の想定
- 参考資料(Appendix):1~6を捕捉する資料を添付
実際にこの流れを参考にしてプレゼン資料を作成したことがありますが、コンサルティング会社出身のアメリカ本社の人にほめられたことがあります。
競合他社との比較分析に、上に書いた”Harvey Balls“を使えば効果は抜群ですよ!
最後に
外資系企業では、英語のプレゼン資料を日本語に訳す場合もあります。
会社によっては、マーケティング部署や翻訳チームがやってくれるところもありますが、彼らの予定が一杯であれば後回しになってしまいます。
また、見込み客ごとのニーズに合わせて内容をアレンジする必要が出てくることもあります。
このような場合は、もちろんセールス自身が翻訳作業をしなければなりません。
また、マーケティング部署や翻訳チームが日本語に翻訳してくれたとしても、自社の製品・商品に一番詳しいセールスが日本語の最終チェックを行わなければなりません。
この意味で、外資系企業のセールスとして働く場合は、プレゼン資料向けに「こなれた日本語」に翻訳できる英語力も身につけていく必要があります。
基本を押さえながら「習うより慣れろ」です!