営業活動の鍵を握る「アポ取り」を効率的に進めるノウハウ

前回は、セールスサイクルの最初のフェーズにおいてコンタクト先リストを作る際の「アイデア発想ゲーム」について紹介しました。

もう1つアイデアをつけ加えると、会社で名刺管理システムを導入している場合は、上司・同僚が持っているネットワークを「見える化」できるので、より効率的にコンタクト先を紹介してもらうことができます。

今回は、コンタクト先リストができあがった後のフェーズについて、営業ノウハウを紹介します。

目次

セールス活動の鍵を握るアポ取り

コンタクト先リストができあがった後に、セールスはメールや電話で1件ずつコンタクトしていくことになりますが、ミーティングのアポ取りが今後のセールス活動を左右する分かれ道となります。

つまり、アポが取れなければ、ある特定のコンタクト先のセールス活動はその時点で終了となります。

でも、もしかしたら競合他社のセールスはうまくアポを取ってやがて商品を売ることに成功するかもしれません。

極端な言い方をすれば、セールス活動は商品を売ることによって得られる利益を他社と奪い合うということです。

このような考え方は、いかにも外資系=狩猟型ですよね。

実際、日本では知名度が低い外資系企業が新規顧客を獲得するには、猟師(ハンター)のように獲物を嗅ぎ分けて「狙った獲物は必ずしとめる」くらいの気持ちがないとやっていけません。

そう言えば、私が外資に応募した時も「ハンター型のセールスですか?」と聞かれました。この言葉の本当の意味は実際に外資で働いてみてよくわかったわけですが・・

結局、セールス部隊が強いかどうかが会社の成長のカギになることから、外資系企業ではセールス部隊を構成する各人のセールススキルやテクニックを向上させるためのトレーニングに時間とお金をかけています。

もちろん、日本企業でも営業研修という名のトレーニングを行なっていますが、お勉強としての会計やマーケティングの講義、ロールプレイングによる実践といった内容が中心で、外資系企業が行なっているような心理学的側面からアプローチする内容とはかなり違う印象です。

アポ取りのちょっとした工夫

このプロセスは、数をこなすためにある程度機械的に行うことになりますが、通常でしたら「忙しいから会う時間がない」とか「すでに他社と取引しているので関心がない」と言われるだけでしょう。

あるいは、アポ取りまであと一歩のところで、「とりあえず資料だけ送っといて・・」と言われてしまいます。

アポを取るためにはちょっとした工夫が必要です。

メールよりも電話?

セールスが使うツールは、メールか電話しかありません。理想的には、メールよりも電話ですが、それぞれメリット、デメリットがあります。

メール電話
メリット・相手が時間があるときに読んでもらえる
・資料を添付して送ることができる
・テンプレートを利用して機械的に送信できる
・相手の声のトーンで反応をつかみやすい
・話の勢いや流れでアポを取りやすい
デメリット・忙しいときに開封されずにそのままにされる
・相手が返信するのを面倒がる
・忙しい人の時間を奪う形になる
・電話をかけるタイミングがむずかしい

私の経験では、以下のような工夫が効果的でした。

STEP

まずメールを送って、2〜3日しても返信がなければ電話

STEP

メールを送りっぱなしにするのではなく遅くても3日以内に電話

STEP

相手がメールを読んでいない、または読んでも返信していないことを(ビジネスマナーとして)ちょっとだけ申し訳ないという気持ちにさせれば、「20〜30分くらいだったら会ってあげようか」と言ってくれる人も出てきます。

電話する時間帯・不在の場合・折り返しのお願い

以下、それぞれのポイントです。

電話する時間帯

午後2時以降の時間帯に電話をします。
午前中は相手が集中して仕事に取り組んでいる時間帯なので、午後の時間帯がおすすめ。相手の部署によりますが、フロントオフィスの場合は、マーケット終了後の午後4時以降、ミドル・バックオフィスの場合は、午後2時以降がいいでしょう。

相手が不在の場合

電話して不在の場合は、時間をおいてまた電話をして、それでも不在であればメールを送ります
メールを出す場合は、「本日、2回ほどお電話をしましたが、ご不在のようでしたのでメールでご連絡いたします。」というようにすでに電話していることを伝えれば、「そこまでして自分に会いたがっているのか」と思ってアポを入れてくれる人もいるでしょう。

折り返しの電話をお願いする

電話して代わりの人がでたら、折り返し連絡してほしいとメッセージを残しておきます。
折り返しの電話がくる可能性は低いかもしれませんが、同じ社内の人を介したメッセージの方が警戒心がなくなって相手の心に届く効果があることが多いからです。

最初の切り出し方がポイント

メールでも電話でも、最初の切り出し方で話の流れが決まってしまいます。

セミナーで入手できたコンタクト先の場合

なるべくセミナーの記憶が残っているうちに「先日は、セミナーにご参加いただきありがとうございました。セミナーの内容についてフォローアップするお時間をいただけないでしょうか?」と言えば、アポ取りがスムーズにできることが多いです。

社内外のネットワークで得られたコンタクト先の場合

紹介してくれた人の名前を出して「○○さんからお名前をうかがい、ご連絡させていただきました」と切り出せば、アポ取りがスムーズにいくでしょう。

ミーティングのテーマを軽く提示する

相手によっては、上のように話を切り出してもそっけない反応を示すこともありますが、この場合は相手が興味を示しそうな何か具体的なテーマを軽く示すことが重要です。

たとえば、IT企業のセールスが金融機関を担当している場合は、以下のようなテーマが考えられます。

  • ブロックチェーン(フィンテック)に関する欧米の金融機関の開発・対応状況について
  • グローバル金融規制に関する欧米の金融機関によるITの活用事例について
  • 各システムのデータを精緻化して集約するためのITの先進的な利用状況について

情報提供あるいは情報交換のためのお時間をいただきたいと伝えれば、興味を示して時間をさいてくれる可能性が高いです。

候補日時は複数提示する

アポ取りは「いつでも大丈夫です」と言うよりも、具体的な候補日時をいくつか示して相手に選んでもらう方がベターです。その方が、相手は自分のスケジュールを見ながらすぐに判断できるので、心理的にはハードルが低くなります。

また、提示した日がすべて都合が悪い場合でも、相手から都合がいい日時を逆に提示してもらえることがわたしの経験上では多かったです。

まとめ

外資系企業のセールスであれば、外資系ならではの「欧米の状況や事例」をネタとして使うことによって相手の興味を誘い、情報提供や情報交換という名目でアポを取ることができる確率が高まります。

日本にいてはなかなか触れることができない海外の生の情報は、相手は喉から手が出るほど知りたいはずです。

一方、セールスも社内でアンテナを高くして日頃から海外で起きていることをインプットするよう心がけることが大事です。

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