相場に影響を及ぼす要因として、以下の4つを挙げることができますが、それぞれ単体の要因によることは少なく、その時々で複合的に絡み合いながら影響を及ぼしています。
- 景気見通し(中央銀行の金融政策を含む)
- チャート分析
- 需給(売り買い)
- 天体サイクル
具体的には、経済指標の発表直後は景気見通しが強い影響を与えますが、目標価格はチャート分析、価格変動はその時々の売り買いの圧力(需給)、市場参加者の行動心理や相場のピーク、ボトムをつけるタイミングは天体サイクルに影響される傾向があります。
太陽の黒点周期、月の満ち欠け、水星の逆行などの天体サイクルが、自然災害やマーケットを含む人間の活動にも影響を及ぼしていることについては以下の記事に書きましたので、ご覧ください。
今回は、天体サイクルが株式市場に及ぼす影響について深掘りします。
黄金比とフィボナッチ数列
まず、「黄金比」とは、古来から調和・均整がとれてもっとも美しいと感じる比率を意味し、今でもアートやデザインの世界で利用されています。
有名な例としては、パルテノン神殿、ミロのビーナス、モナリザの顔、AppleやGoogleのロゴ、そして身近な例としては、キャッシュカードや名刺が挙げられます。
世界的に有名な葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」の構図や以下に示されているような自然界における螺旋(らせん)形状にも黄金比を見出すことができます。
「黄金比(Golden Ratio)」とは、1つの線を a, b の長さで 2 つに分割するときに、a : b = b : (a + b) が成り立つように分割したときの比で、
1 : 1.6180339887…(近似値:1.618)となります。
次に、「フィボナッチ数列(Fibonacci sequence)」とは、2つ前の数字と1つ前の数字を足し合わせてできる数列のことで、1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597…となります。
フィボナッチ数列のとなり合う2つの数字の比は、黄金比に限りなく近づいていきます。つまり、3以降の数字は、前の数字に対する比が1.618に限りなく近づいていき、連続する3つの数字の比率は、0.618:1:1.618となります。
(それぞれの逆数は、1÷0.618=1.618、1÷1.618=0.618 となります。)
チャート分析でも押し目買いや戻り売りの目標価格を計算(1-0.618=0.382 → 38.2%戻し、61.8%戻し、1.618倍戻しなど)する際に使われますが、金融占星術の世界でも天体サイクルとフィボナッチ比率を組み合わせた形で使われています。
天体サイクルとフィボナッチ比率の組み合わせ
金融占星術の世界では、金星と天王星の会合周期(金星と天王星が同じ位置に戻ってくるサイクル)が昔から重視されています。
なぜかと言うと、金星と天王星の会合周期が、226日(≒365日 x 0.618(フィボナッチ比率))であるからで、金星(♀)と天王星(♅)がアスペクト(次の見出しで説明)を形成する日をトレンド転換日としてチャート分析に用いています。
(下の画像をご覧ください。)
元々、金星は金銭や財産、天王星は変化、方向転換、改革、地震などの災害を意味しますが、金星と天王星がアスペクトを形成することによって、天王星が意味する事象を強めることになります。
天体のアスペクトとは?
ここで、「アスペクト」について簡単に書きます。
アスペクトとは、天体と天体の位置によって表される角度を意味し、金融占星術では以下の角度が重視されています。
一般的に、トラインやセクスタイルは好ましい角度と言われていますが、次に示すようにマーケットに対しては、角度に関係なくネガティブな影響を及ぼしています。
過去の出来事の検証と仮説
それでは、過去に株式市場に大きな影響を与えた出来事について見てみましょう。
それぞれの出来事が発生した日と水星の逆行期間、月の満ち欠け(水星の逆行期間内の新月を基準にその前後の満月)、金星と天王星がアスペクトを形成した日および水星の逆行との関係を以下の表にまとめました。
この表から導き出せることを仮説としてまとめると
- 「金星と天王星のアスペクト形成日」が水星の逆行期間内
→(新月の前の) 満月〜水星の逆行期間終了の期間に出来事が発生 - 「金星と天王星のアスペクト形成日」がプレシャドー期間内
→ 金星と天王星のアスペクト形成日〜新月の期間に出来事が発生 - 「金星と天王星のアスペクト形成日」がポストシャドー期間内
→ 新月〜金星と天王星のアスペクト形成日の期間に出来事が発生
ということになります。
なお、2015年のチャイナショックについては、8月11日とする見方もありますが、ここでは中国株が大暴落した6月12日としています。
この時の水星の逆行期間は、アメリカ時間では6月11日に終了しましたが、アジア時間では6月12日でした。この意味では、逆行期間終了日にチャイナショックが発生したと言えます。
また、プレシャドーから逆行、逆行からポストシャドーに入れ替わる時を「留(りゅう)」といって、エネルギーが強く要注意日とされていますので、いずれにしても6月12日は何かの出来事が発生する可能性が高かったと言えます。
天体サイクルから見る今後の米国株相場見通し
上のチャートでは、6月18日〜7月27日における水星のプレシャドー → 逆行 → ポストシャドー期間に金星と天王星のアスペクト形成が重ならなかったため、上値は抑えられていたものの、下落トレンドとはなりませんでした。
また、8月18日の金星と天王星のアスペクト(=セクスタイル)形成日は水星の逆行サイクルと重ならなかったため、マーケットにネガティブな影響がありませんでした。
9月15日にも金星と天王星がアスペクト(=スクエア)を形成しますが、この日も水星の逆行サイクルと重ならないため、おそらく影響はない(あったとしても限定的)と予想しています。
次回の水星の逆行期間は、2020年10月14日〜11月4日でプレシャドーは9月24日から、ポストシャドーは11月20日までとなります。
一方、金星と天王星は10月10日(=水星のプレシャドー期間)にトライン(120°)を形成します。
したがって、上に書いた仮説によると、10月10日〜10月17日にマーケットに影響を及ぼす出来事が発生する可能性が高いということになります。
現在、米国株はFRBの金融緩和による金余りを背景にSP500株価指数やNASDAQ総合指数が過去最高値を更新中で、NYダウも戻り高値を試している段階ですが、10月以降はそろそろ下落リスクに備えるべきタイミングと言えるでしょう。
免責事項
この記事は、個人的な見解に基づく情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスとして書いたものではありません。