ホテルの魅力は、日常から離れた部屋で過ごす時間だったり、豪華な食事のメニューだったり、人それぞれですね。
今回、京都市内のHOTEL THE MITSUI KYOTOのアート作品を愉しむことで、ホテルの魅力を再発見できましたので、ぜひ写真とともにみなさんに紹介したいと思います。
梶井宮門
このホテルの象徴とも言える300年の歴史を経た格式のある梶井宮門。訪れるお客を別世界へと誘う表玄関です。
これまでに30年から50年ごとに修復が繰り返されてきたそうで、このような歴史を紡いでいく技術はこれからも継承されていってほしいものです。
泉田之也作「風」
1966年岩手県生まれの陶芸作家、泉田之也さんによる作品です。風の流れが立体造形として表現された動的な作品は、ロビーエントランスを行き交う人の流れを想起させ、生き生きとした雰囲気を演出しています。
作家のウェブサイトには、上記以外の作品も紹介されています。
André Fu(アンドレ・フー)によるロビーラウンジのデザイン
香港生まれで、イギリスで学び、ケンブリッジ大学文学士ならびに建築学修士号を持つ新進気鋭のデザイナー。天井から吊り下げられた曲線的なラインが、館内と庭園が一体化した空間に動的で優雅な雰囲気を醸し出しており、よく見ると着物生地のような模様が施されているのがわかります。
はっきりと覚えていませんが、素材は確かアルミパイプだそうです。
ホテルのウェブサイトによると、客室インテリアもデザインしています。
藤原志保作「土と水の融合」
ロビーラウンジの左側にあるライブラリーには、1944年兵庫県生まれで、丹波篠山で制作している藤原志保さんの作品が展示されています。
墨と和紙による抽象的な造形作品は、地(和紙)と海(墨)が宇宙で融合する姿を表現。墨の濃淡と和紙のシワが生み出す柔らかな立体感が観る者の心を落ち着かせ、ライブラリーにふさわしい深い思索の世界を演出しています。
栗本夏樹作「宙・Sora」
1961年大阪生まれ、京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業。現在、京都市立芸術大学教授(漆造形)の栗本夏樹さんの作品が1階ロビーラウンジから客室へ通じる千本鳥居をモチーフにした通路に展示されています。
この作品は、ホテルの庭園から見た宇宙をイメージして、色漆と麻布を素材に真珠色の貝殻を漆地にはめこむ「螺鈿」の技法で制作されています。遠くから見ても貝殻がまるで天空に散りばめられた星のように光り輝いています。
ちなみに、地下1階のサーマルスプリングSPAの回廊も千本鳥居を彷彿とさせるデザインになっています。
「月にかかる雲」
客室に通じる各階のホールには、「月にかかる雲」をイメージした竹のオブジェが展示されています。
竹が織りなす優美な造形は「雲」をイメージしており、その中にある赤い部分が「月」を表現しています。1階の半月が階が上がるごとに満ちていき、4階では満月になるという遊び心が施されたデザイン性溢れる作品です。
京都市内の株式会社 陶額堂のウェブサイトに「主な実績」としてこの作品の画像が載っています。
福本潮子作「Star Light」「星雲」
1945年静岡県生まれで、京都で制作している藍染作家、福本潮子さんの作品。地下1階のサーマルスプリングSPAの入口近くのパウダールーム壁面に「Star Light」、プライベート温泉入口とトリートメントルーム壁面に「星雲」が展示されています。
貴重なトルファン綿を素材に藍絞り染の技法によって制作された作品。この作品を鑑賞すると、日本の伝統色である藍色によって心が癒され、壮大な宇宙空間で瞑想しているような気分に浸ることができます。
ホテルの入口から始まり、至る所で自然や宇宙をテーマにしたアート作品が点在しています。
さいごに
今回は、「アンバサダーと巡るHOTEL THE MITSUI KYOTOアートツアー」(45分、無料)に参加したお陰で、美術館レベルのアート作品をじっくりと鑑賞することができ、ホテルの魅力を再発見できました。
これからも、他のホテルでいろいろなアート作品に巡り合っていきたいと思います。