「ニュータイプの時代」山口周著 新時代を生き抜く24の思考・行動様式

前回、山口周氏の「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)」を読んでから著者のことが気になっていました。

そしてタイミングよくこの本のタイトル「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」が目にとまったのでさっそく読んでみました。

そういえば、山口氏が先日BSテレビ東京の「日経プラス10」に出演していましたね。本を読んでいたので、実際に映像をみながら話を聞くと相乗効果で理解が深まりました。

ところで、この数年間、肌感覚で感じていたことがあります。

日本に漂う閉塞感、政治家や政治に対する不信、官僚組織の機能停滞、大企業の苦戦、金融業界の低迷・・そしてもっと身近には転職市場における意識の変化や高額商品が売れる理由など。

この本は、すでに変化しつつある世の中のトレンドを斬新な切り口でいろいろな角度から解説していて、今まで自分の中でモヤモヤしていたものがクリアになってきました。

そして、先日流れた「キリン、過去最高益なのにリストラ着手」のニュース。

45歳以上の社員を対象に早期退職を実施・・ということは、まさにこれからの「ニュータイプの時代」を先取りしてオールドタイプに退場を迫る動きだと思います。

今まで内部留保で設備投資や大型買収というのが一般的でしたが、これからはキリンホールディングスのようにオールドタイプを切る際の割増退職金として使われることが主流になるかもしれません。

それにしても、早期退職したオールドタイプは自分のポジショニングを見直さないとこれから転職で大変ですね。

この辺の話は、以下のノーベル賞を受賞した山中教授についての文章がヒントになります。

山中氏のキャリアは、一般に日本では忌避されがちなニュータイプの行動様式、つまり「一所懸命に頑張らず、次々にポジショニングを試すことで、最も自分が輝ける場所を探す」という行動様式がもたらす大きな成果を示しています。  P. 211

著者は、専門家の経済予測が当たらないことを実例を挙げて説明しています。

確かに、年末になると決まったように経済予測の特集を組んだ雑誌が出ますが、果たしてどれだけ予測通りになっているか検証して欲しいですね。

経済、株価、為替予測・・結局、最後に頼れるのは自分の直感ということになります。

わたしが営業で回った金融機関では、「中期経営計画に**投資という言葉が入れば予算がついて検討が進む」という言葉をしょちゅう耳にしました。

「金融機関にとって、そんなに中期経営計画が大事なんだ」とその時は思いましたが、1年先の予測も難しいのに3年や5年先まで環境変化を考慮しながら計画を立てること自体、時間と労力の無駄ですし、途中で違う方向に環境が変化したら修正も大変だと思います。

こういう計画を立てている人も、おそらく企画部門の「優秀な人材」・・著者はこういう人たちを「オールドタイプ」として今後急速に価値を失っていくと「はじめに」の部分で述べています。

この「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」ですが、「はじめに」から「おわりに」まで示唆に富む内容がぎっしり詰まっています。ですから、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)」を先に読んでからのほうががオススメです。

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