アフターコロナに求められる発想力と創造力を高めるためのヒントを歴史から学ぶ

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コロナの影響で、外出の自粛だけでなく休業、倒産、解雇など暗いニュースが徐々に増えてきています。

5月に入って、アメリカの衣料品大手J.CREW、高級百貨店ニーマン・マーカスや老舗小売大手JCペニーが経営破綻しました。

日本でも、5月15日に東証一部上場のアパレル大手レナウンが経営破綻しましたが、この日までにコロナ関連の企業倒産が全国で150社を超えました。

一方で、革新的なアイデアを生み出す発想力やアイデアを具体的なモノに変える創造力を発揮できる個人や企業がコロナ時代を生き抜いてアフターコロナの新しい世の中をリードすることになります。

今回は、新しい世の中のキーワードとなる発想力創造力の観点から過去の歴史を紐解いて、3つのエピソードを交えながら今後の予測をしてみようと思います。

目次

アイザック・ニュートンの「万有引力の法則」

ヨーロッパでは、1347〜1351年に黒死病(ペスト)が発生しました。その後、1665年にも数度目の流行となり、当時23歳のアイザック・ニュートン(1642~1727)が学んでいたケンブリッジ大学も閉鎖となったため、故郷で18か月間の休暇を取らざるをえませんでした。

まるで、コロナの影響で外出自粛となった今と同じような状態です。普通の人であれば、1~2か月で自粛疲れでストレスをためこんだり、18か月も休暇があれば時間をもてあましたりしてマイナスな方向になりがちです。

ニュートンが普通の20代の若者と違うのは、このマイナスになりがちな休暇の期間を「自由に思索できる時間(=創造的休暇)」というふうに発想をポジティブな方向に転換して「万有引力の法則」の着想や「微分積分法」「光学(=プリズムでの分光の実験)」に没頭して創造性を発揮したことです。

葛飾北斎の「富嶽三十六景」

日本の浮世絵は、マネ、モネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ 、ゴーギャンなどの印象派の画家たちや、その後のガレ、ロートレックなどのアール・ヌーヴォーの芸術家たちに多大な影響を与えました。

その中で日本を代表する浮世絵と言えば、葛飾北斎(1760~1849)の「富嶽三十六景」です。

特に誰もが一度は見たことがある「神奈川沖浪裏」Great Waveの名称で愛され、レオナルド・ダヴィンチの「モナ・リザ」に次いで世界で2番目に有名な作品だと言われています。

北斎は、「富嶽三十六景」(1831~1835年)に続いて、「諸国滝廻り」(1833年)、「諸国名橋奇覧」(1833~1834年)、「肉筆画帖」(1834~1839年)、「富嶽百景」(1834~1835年)など、70歳を超えてから立て続けに代表作を残しました。

一方で、この時は寛永・享保・天明に続く江戸四大飢饉のひとつと言われる「天保の大飢饉」(1833~1839年)の時期にあたり、江戸でも米不足、米価急騰(今の時代にたとえれば「食糧危機」)の中で餓死する人も出てくるという状態になっていました。

この逆境の時に、北斎は一点物の肉筆画による全10図1帖の作品「肉筆画帖」を売りまくって餓死を免れたという話が有名です。

それまでの庶民を対象にした大量生産型の浮世絵版画ではなくお金持ちを対象にした大変貴重な(=お金になる)一点物の肉筆画を売るという発想力、すでに天才浮世絵師として確立されていた自分の殻を打ち破るチャレンジ精神など、70歳を過ぎた老人とは思えないエネルギーを感じさせてくれます。

創造性が試されるアートの世界では、年齢は関係ないのかもしれません。

ウィリアム・モリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」

19世紀のイギリスでは、産業革命によって工場で大量生産される安価で粗悪な商品があふれ、労働者が細分化された単純な作業によって作る喜びを失っていき、職人の技や手仕事の美しさが失われていきました。

労働環境が最悪でまさにブラック企業だらけという時代。イギリス家庭料理が一気に衰退、まずいと言われるようになったのがこの頃からだと言われています。

こうした状況を嘆いたのがイギリスのウィリアム・モリス(1834~1896)です。1861年、彼が27歳のときに仲間と共に「モリス・マーシャル・フォークナー協会(1875年に「モリス協会」へ)」を立ち上げました。

53歳になった1887年には、アーツ・アンド・クラフツ展示協会を設立し、芸術と生活の融合を目指して「アーツ・アンド・クラフツ運動」を展開していきました。

その後、この運動はフランスのアール・ヌーヴォーなどの美術運動にも影響を与え、さらにアメリカにも伝わりフランク・ロイド・ライトやチャールズ&ヘンリー・グリーン兄弟といった建築家にも影響を与えながら各国にその理念が継承されていったのです。

ウィリアム・モリスは、資本主義の源流である産業革命がもたらしたマイナス面から発想を得て、クリエイティブな芸術の側面(=デザインの美しさ)から社会・生活を変えようと行動を起こしました。また、その創造性豊かなデザインは自然(植物)をモチーフにして創作され、今でも家具、壁紙、カーテンや雑貨などのデザインとして世界中で愛されています。

さいごに

「逆境は創造の母」とよく言われますが、今のコロナ時代、そしてこれからのアフターコロナの時代に求められるのは、まさに発想力と創造力です。

今の世の中は、資本主義の成熟に伴う弊害が目立ちシステムが疲弊していますが、世界のどこかでアフターコロナの時代に輝く種がすでに転がっているはずです。発想力と創造力を持った若い世代が、そろそろどこかでこの種を見つけて、いずれアフターコロナの時代をリードしていく・・・そんな期待を抱いています。

ゼロから何かを生み出すことは天才しかできませんが、今ある物から発想を転換して新たな物を創造することは案外できるかもしれません。そしてそれは日本人にとって「得意な領域」。ひょっとしてアフターコロナの世界をリードしているのは日本なのかも、と思ったり。さて、みなさんはどうお考えでしょうか。

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