前回のブログでデュアルライフにはメリットとデメリットがあることを書きました。
「ニューヨークでは富裕層が市外に避難してコロナの感染から逃れた一方で、貧困層の感染率は極めて高い」という共同通信ニュースが5月24日に流れていました。
これはデュアルライフの最大のメリットとして挙げた「災害時の逃げ場所の確保という安心感」という点に行き着きます。
今回は、災害時に生死を分けることになるかもしれないデュアルライフを実現するためのライフスタイルについて深掘りしていきます。
トマス・J・スタンリー著「となりの億万長者」
デュアルライフのデメリットとして、「金銭的に追加の出費が必要」になる点があります。逆に言えばこの点を克服することがデュアルライフ実現の近道となります。
さてここで、アメリカ富裕層研究の第一人者であるトマス・J・スタンリーをご紹介します。
氏の書いた「となりの億万長者」がベストセラーとなり、お金持ちの習慣、考え方、ライフスタイルなどが公開されたのです。
「億万長者の八か条」をチェック!
スタンリー氏は1973年に、「純資産100万ドル(およそ1億1000万円)以上をもつアメリカ全土の億万長者を対象に大規模調査を実施。
そこで判明した「成功の秘訣」をまとめたのが「なぜ、この人たちは金持ちになったのか – 億万長者が教える成功の秘訣」という本です。
人間いつの時代でもどこの国でも普遍的な事実は変わりません。
この本の最終章に「億万長者の八か条」がまとめられています。それぞれ要約すると以下のようになります。
- 経済的成功の鍵として、人一倍の努力、誠実さ、仕事への情熱が重要である
- 学業成績が平凡だったからといって成功への意欲を失ってはいけない
- 多少の経済的リスクは背負う勇気を持ち、たとえ失敗してもそれを克服する方法を学ぶ
- 単にユニークで高収益というだけでなく、心から愛着をおぼえる職業を選ぶ
- 成功の助けとなるような特質を備えたパートナーを選ぶ
- 家計支出をコントロールする
- 家を選ぶときは十分に調査・研究し、積極的に値引き交渉をする
- バランスのとれたライフスタイルを心がける(↓以下に解説)
億万長者と浪費家の分かれ道:バランスのとれたライフスタイル
最後のポイントである「バランスのとれたライフスタイル」とは、億万長者と浪費家のお金に対する考え方を比べてみるとよく理解できます。
人生の楽しみ方は人それぞれ。「人生は1回限りだから、今を大いに楽しみたい」という考え方の人も大勢います。お金をいろいろな物やサービスを買うために使うことが幸せにつながると信じ、次第に高級・高価な物やサービスを求めて過剰に浪費していきます。
一方、億万長者は派手な生活どころか節度のある消費生活を送り、家族や友人との交流を楽しみ、お金のかからない堅実・質素なライフスタイルを守っています。
若い時には富裕層にあこがれと幻想を抱いて、お金を使って食べ物、衣服、旅行、レジャーを楽しむ傾向があるかもしれません。
でも、このスタイルを続ける限り、デュアルライフの実現はむずかしいでしょう。
そして、結婚する相手が派手好きであれば、同じようにデュアルライフは実現できないでしょう。堅実な経済観念を持つ人を選ぶことが重要となります。
結局、若い時に楽しんで後から苦労・後悔するか、若い時に質素な生活を送り後で楽しむかの違いですね。
さいごに
お金を稼ぐには、自営業であれ、会社勤めであれ、「自分にあった仕事」を見つけることが重要です。
すなわち、情熱をかきたてられ、心の内に燃えるようなものを感じることができる仕事を直観を働かせて見つけることが資産形成の第一歩となります。
この本には「九回も転職して大富豪になった人」の事例もあります。このケースはちょっと特異な例かもしれませんが、それでも、自分に合わない仕事でストレスを感じながら仕事をするよりもずっといい。
なんといっても「自分の生き方に真剣に取り組んでいる」姿勢と意気込みがこちらに伝わってきます。
とにかく勇気を出して転職に挑戦して愛着を感じる仕事を見つけること。それが人生の成功につながります。
自分はどのような人生を送りたいのか。人生たった一度だけ。せっかく生きているのだから幸せになりたい。
どう生きるかはまさに自分次第ということになります。