私が外資系企業で経験したITの分野では、もともと欧米が世界をリードしているので日本人がいくら頑張っても、最先端の知識や情報、テクノロジーの点では残念ながら欧米人にはかなわないという事実がはっきりしています。
さらに、もう1つ挙げるとすれば、スポーツの世界と同じように、体格、体力が日本人よりまさっているということ。
仕事の世界では、海外出張をはさむ激務を平気でこなしたり、連日真夜中の2時、3時まで飲んでいても翌朝には朝早くから普段通りに仕事をこなしている姿を見ていると、さすがに体力があるなと感心したのを覚えています。
今回は、外国人と一緒に働いてとくに印象深かった出来事を書きます。
プレゼンが上手なのは当たり前
よく言われるように、特にアメリカ人はプレゼンが上手な人が多いです。
これは、子供の頃から大学生になるまで人前で話す機会があり、自然とプレゼンがうまくなるような環境に恵まれているからです。
日本では、基本的に明治時代からの学校制度の延長線上で教育が行われているので、生徒が先生の話をしっかり聞いて黒板に書かれたことをきちんとノートに書き写す、というスタイルが中心ですよね。
実際、私の経験でも、小学校であれば夏休みの思い出をクラスの前で発表したり、大学であればゼミの時間に20名ほどの前で論文の概要を発表したりという数少ない記憶はありますが、とても「プレゼン」と呼べるものではありませんでした。
結局、外資系に勤めてから頻繁にプレゼンをする機会があったり、アメリカ人のプレゼンを聞いたりする中で、グローバルに戦うには、以下の点が大切だと悟りました。
- プレゼンでいかに人の関心・興味を引きつけるか
- プレゼン後の質疑応答でいかに議論を盛り上げるか
- プレゼン〜質疑応答後にみんなの気持ちをいかに同じ方向に束ねるか
日本人がグローバルで同じ土俵で戦うには、プレゼン資料の作成も含めてプレゼンが上手なアメリカ人を初めとする外国人のまねをしたり、コツを身につけるまで練習を繰り返したりしてレベルを上げないといけません。
外国人は会議でメモを取らないのはなぜか?
訪問先が外資系企業の場合、たいてい外国人がミーティングに参加します。このとき、私も自分の英語のレベルはよくわかっているので、社内の外国人に同行をお願いしていました。
実際にミーティングが始まると、外国人を連れてきてよかったと思いましたが、なぜか話をしてばかりでメモは取りません。
こんな時は、私がミーティング後の議事録作成のためにメモをとる役になって、耳に全神経を集中してポイントを書いていきました。
その後会社に戻り、走り書きしたキーワードやその場の会話を思い出しながら必死に議事録を作成していたところ、同行した外国人からメールが届き思わず目が点に・・
なんと、彼が気をきかせて議事録を作成して私に送ってくれたのです。その時、感謝と驚きが混ざった気持ちになりましたが、不思議だったのは「メモを取っていなかったのになぜ議事録を作れたのか」ということです。
聞いてみたところ、「学生の頃から授業の内容をノートを取らないで記憶するように訓練されてきたから」ということでした。
欧米では授業で積極的に発言することが求められますが、ミーティングでも積極的に発言しながら自ら議論を方向付ける役割を果たすことによって、すんなりとポイントや会話が脳にインプットされているということでしょう。
さいごに
日本では常識になっていることが、世界では通用しないということが本当によくあります。
上の例で見たように、教育や授業も日本と海外でスタイルが異なりますが、実は大人になると大きな差になってあらわれます。
学校でも会社でもみなさんの周りに外国人がいたら、ミーティングでどのようにしているかウォッチしてみてください。
もし、メモやノートを取っていなかったら、私と同じように質問してもおもしろいかもしれません。