ゆるく働く時代へ・・
ここ数年で米国では40歳くらいで早期退職するFIRE Movementという新しい生き方がでてきています。そして、日本でもようやく若い世代を中心に「セミリタイア」「FIRE」が意識されるようになってきました。
政府が唱える「人生100年時代」の言葉の背後には「長く働いてたくさん税金を納めてほしい」「年金の受給を遅らせてほしい」という本心が見え隠れしていますよね。
でも、国民の間でとにかく所得税、住民税などの税金をこれ以上払いたくないという流れが出てくるとすれば、「さっさと稼いで、さっさとリタイアしてもう税金なんて払いたくない」あるいは「最低賃金でゆるく働いて税の負担から逃れたい」といった声が大きくなるのは目に見えています。
「一生懸命働いて税を納めているのに、なんの恩恵もない・・」となるとそういう流れになるのは当然ですよね。
セミリタイアする前に十分な自己資金は必須
老後2000万円というのはもうだいぶ前から言われていたことで、今さら?と思った人も多いのではないでしょうか。そもそも高齢化社会については25年以上も前からすでに盛んに言われていました。
20代からこつこつ貯金をし投資をしていくことは大切なことです。とくに親からの資金援助、相続が期待できない人は、自分でなんとか切り抜けなければなりません。
たとえ親からの資金をあてにしていたとしも、親自身が老後の費用に使い切ってしまうという可能性もありますので、「人に過度に期待しない」方が賢明でしょう。
ここで何が言いたいかというと、結局は「人生、自己資金がすべて」ということです。
この自己資金をどうやって作るのか?
このブログでも書いていますが、キャリアアップ、収入アップを狙ってできれば30代のうちに外資に転職する、その後2~3回の転職をする、ボーナスが青天井の営業のプロをめざす・・などが選択肢になります。
「毎月の生活費」をシミュレーションしよう
2019年から念願のセミリタイア生活を実現しています。この結果、前年までの収入と比べて大幅ダウンしました。
ですが、前の仕事を思い切って辞めることができたのは、ある程度の貯金(自己資金)と「毎月の生活費のシミュレーションをしていたから」です。
以前、失業した経験から、外資で手取りの給料が増えたとしても「いつまた職を失うかもしれない」という危機感は常にありました。それで「年金生活者になった場合の生活」を意識しながら実際の生活費をシミュレーションしたのです。
その結果、1か月あたりの支出額が現在の高齢者の平均年金額(23万円)とほぼ同じということがわかりました。それなら、ストレスを抱えながら働くよりも、収入を年金額程度にまで下げて、好きな仕事をしながらゆるく働いてもよいのでは?と思うようになったのです。
さて、現在の1か月における支出額を以下の表にしてみました。(ざっくりとした額ですが)
1か月の支出額(2019年7月時点)*妻と2人暮らし
電気 | 5,000 |
ガス | 3,000 |
水道 | 4,000 |
電話(Mineo Aプラン)2人分 | 5,000 |
住居(管理修繕費、インターネット, NHKほか) | 40,000 |
食費 | 40,000 |
こづかい(ランチ含む) | 30,000 |
美容院 2人分 | 7,000 |
支出額 | 134,000 |
手取り給料 | 200,000 |
収支(=自由に使えるお金) | +66,000 |
ということで、自由に使えるお金が66,000円です。この金額から、衣料、娯楽レジャー、日用雑貨にお金を使うことになりますが、それでも1か月20万円で不自由なく暮らすことができます。
ただ、急な出費(病気、歯の治療、スマホ本体、家電、旅行など)については、自己資金から出すことになります。ということで、繰り返しになりますが、ここで重要なのは「自己資金」。これがないと何もできません・・
このシミュレーションをすることによって、セミリタイヤを前提にしたリアルな節約を実感できますので、みなさんもぜひ試してみることをおすすめします。
半分働き、半分好きなことをしてゆるくのんびり暮らす
貯金以外に、定期的に入ってくる配当があれば心強い資金源となります。余裕資金で投資をして、配当金を定期的にもらうために一生涯ホールドしておくというのも賢い投資方法だと思います。
ゆるくのんびり働きながら、足りない分は配当金でまかなう、となると心に余裕も出てくるでしょう。
とはいえ、日本、米国の株価はすでに高値圏。特に米国株市場は史上最高値を何度もトライしていますが、歴史を振り返るとバブル崩壊のリスクもゼロではありませんので要注意です。
配当金以上に値下がりすると含み損を見るたびに心を痛めることになるので、とくにこれから投資する人はタイミングが大事です。
ギリギリの手持ち資金でセミリタイアした場合は、普段の生活で「お金のかからない趣味」を持たないと、あっという間にお金はなくなってしまいます。ジムではなくウォーキングをするなど、ムダな出費を減らす習慣をつけておきましょう。
また、断捨離をして家の中をすっきりさせておくのもオススメです。ものを捨てる習慣をつけると、なぜか「ものを買わなくなる、または慎重に買い物をするようになる」からです。
社会や会社の人と関わりをもってある程度の刺激を脳に与えながら、好きなことをしてストレスから解放される。こんなセミリタイア・FIREはコアとなる自己資金さえあれば実現できるでしょう。
速度を上げるばかりが、人生ではない。
There is more to life than increasing its speed.
Gandhi ガンジー
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